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ミステリの祭典

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ウルトラ・ダラー

作家 手嶋龍一
出版日2006年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 びーじぇー
(2023/01/15 22:45登録)
日本人印刷技術者の失踪、マカオの企業に買い付けられた後に行方不明になった高性能印刷機。それらの事件から長い時を経て、アイルランド・ダブリンに、極めて精巧な新種の偽100ドル札があらわれた。その名は「ウルトラ・ダラー」。製造した国の真の目的は。
前NHKワシントン支局長による初の小説である本作は、豊富な取材に基づくリアリティーと、現実に国際問題化している北朝鮮による米ドル札偽造容疑と響き合いながら、生々しい謎解きの世界に誘う。
主人公は英BBCの東京特派員スティーブン・ブラッドレー。彼の活躍ももちろんだが、その恋人となる篠笛の師匠・槙原麻子、日本政府のキーパーソンとして登場する内閣官房長官・高遠希恵、そしてアメリカから偽造紙幣の背景を狩り出していくシークレット・サービスの主任捜査官・オリアナ・ファルコーネら、強く魅力的な女性たちが織り成す人間模様が物語の柱になっていく。
現実とシンクロしたピースを組み合わせ、事実に基づいて大胆な仮説が展開される、そんなタイプの小説。

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