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ミステリの祭典

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驚愕の曠野

作家 筒井康隆
出版日1988年02月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2023/01/12 12:09登録)
 作者の、ではなく読者の自由な想像力を試すかのような本。一応 “人間” と表記されており “頭部と四肢をそなえて” いるそうだが、果たしてどのような姿形なのか。“猫” とは猫なのか。それこそ単語の一つ一つの内実を疑い吟味しながら読みたくなってしまう。私は塩肉を掘り出す場面がとても好き。

 そこまで捻くれた読み方をしなくても、少ない描写で背景の巨きな異界を読者に示す手管は快感。これを省エネ書法などと言ってはいけない。こじつけるなら、叙述トリックで言葉と物体をつなげて世界を折り畳んでしまう作品。

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