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ミステリの祭典

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極限冷蔵庫

作家 木下半太
出版日2017年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/01/03 22:30登録)
渋谷の居酒屋でバイトをする女子大生・詩乃は、閉店作業中に四十歳独身の女性店長とともに業務用冷蔵庫に閉じ込められてしまう。当初は偶然の事故かと思われたが、なぜか冷蔵庫内の温度が徐々に下がっていく。誰かが扉の外で操作しているのか。いったい誰が、何のために…。命の危機を感じた二人は、犯人の心当たりを探すためにそれぞれの秘密を明かしていくが―。「極限」シリーズ第二弾。
『BOOK』データベースより。

この作者の作品を読む時は、B級グルメを味わう様な姿勢で臨む事にしています。今回も良くも悪くも期待を裏切らず、その味わいを堪能致しました。
何故か突然居酒屋の大型冷蔵庫に閉じ込められてしまうバイトの女子大生と女性店長の二人。狭いわ寒いわで物凄い閉塞感の中、彼女らは犯人が誰かを探る為に回想を続けます。バイトの詞乃は彼氏がいるのにパパ活をしており、彼らの内の誰かが怪しいと睨む一方、店長はパパ活の実態を一部把握しており、こちらはこちらで秘密を隠し持っていたりします。

ラストは二転三転、でんぐり返しし見事にこちらの読みを外してくれます。帯にある「すべての予想は裏切られる」の文句は伊達じゃありません。
木下半太にしては出来は良い方だと思います。それでもまだどこか喰い足りない感じがして仕方ありません。やはり冷蔵庫の中の密室劇と云う事で、全体的に動きが鈍いせいかも知れませんね。

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