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ミステリの祭典

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盗まれた結婚式
早乙女薫

作家 若桜木虔
出版日1978年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2022/12/26 23:33登録)
(ネタバレなしです) 1978年発表の本格派推理小説です。主人公は16歳の高校2年生の早乙女薫で、プロローグに相当する第1章では同級生が屋上から墜落死する事件を解決しています。メインの謎解きが非常にユニークで、薫の母方の従姉の中林真紀子が結婚するのですが同じ日にもう一つ中林真紀子の結婚式があったことがわかります。もちろん同姓同名の別人だったというオチではありません。一体どちらの中林家が本物なのか、ちょっと調べればすぐわかるだろうと思える謎ですがとんでもない、親族の薫でさえもどちらの真紀子が本物なのかわからず警察の捜査も何度も暗礁に乗り上げます。文体は明るいのですが犯人の動機には重苦しい背景があったことが判明し、結末のつけ方にはすっきりしないと感じる読者もいるでしょう。

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