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ミステリの祭典

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誰がこまどり殺したの

作家 篠原一
出版日1996年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/12/26 22:24登録)
羽を失い、獣となった少年たちに約束の百年は訪れるのか。「天国のドア」はひらくのか。きみに喰われてきみの血肉になってゆくのが僕の愛なのかもしれない…。文学界新人賞デヴュー(『壊音KAI‐ON』)19歳天才女子大生作家、初の長篇。
『BOOK』データベースより。

長編だと思って読んでいたら短編集?でも結局長編だったし、ミステリだと思っていたら幻想小説或いはファンタジーだったと云う、大いなる勘違いを巻き起こした本作。『天国の扉』では痛い目に遭ったのでどうかなとかなり不安でしたが、面白かったですね。いや面白いという表現は失礼かもしれません。何と言うか感性で読む本じゃないでしょうか。だから感銘を受けたとか心に沁みたと言ったほうがしっくり来そうです。

最初は凛が男か女かも分からず戸惑ったり、瑞に振り仮名を打たれていないので何と読むのか終盤まで分からなかったりと、それも一つの個性なのかも知れませんが、不親切な気はしました。因みに瑞はみずきでしたが。
あらすじなどはあって無い様なものですし、ここでは書かない方が良いと思いますので割愛します。ただMという正体不明の女性の得体の知れない未来像にはゾッとしました。文体は儚げで美しく詩的でもあります。物語よりもその辺りを評価したいですね。

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