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ミステリの祭典

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もののけ本所深川事件帖 オサキと骸骨幽霊
オサキシリーズ

作家 高橋由太
出版日2014年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2022/12/19 22:29登録)
災厄が起こるといわれる“オサキモチ”ゆえ、献残屋の娘・お琴に恋文を渡せない手代の周吉。しかし、その文が墓地まで飛ばされ、墓の下から現れた幽霊・朱里が自分宛てだと勘違い。あげく周吉は朱里と夫婦になってしまう!店に帰れなくなった周吉は、骸骨幽霊らを成仏させるため、秘策を練るが…。町では極悪非道の畜生働きが跋扈し、周吉の店にも危機が迫る!妖怪時代劇、第六弾。
『BOOK』データベースより。

これはかなり面白いですよ。シリーズ第三弾までを飛ばして、四作目から読み始めてから一番心に刺さりました。一応一話完結なので途中から読んでも問題ないですが、何となく本作を読んでみてやはり順序通り読んだ方が良かったかなと、少し後悔しています。
幽霊の朱里と形ばかり夫婦になり、骸骨幽霊たちと懇意になった鵙屋の手代の周吉。その鵙屋の用心棒である老剣士柳生蜘蛛之介とその師である日向彦三郎、そして新たに雇われた奉公人伊太郎の因縁がぶつかり合った時、壮絶な戦いが勃発します。

その戦は周吉や物の怪オサキ、骸骨幽霊や鵙屋に憑いている妖怪たちをも巻き込んで、凄まじいバトルを繰り広げます。そして蜘蛛之介、彦三郎、伊太郎の三人の過去に何があったのかがこの物語の肝になっています。其処で語られるのは敵味方に関係なく江戸時代ならではの悲恋の影に憑かれ、哀しみを背負った男達の執念と執着。
本当は8点にしようかとも思ったのですが、流石にそれはちょっとと云う迷いがあり落としましたが、今でも気持ち的には8点です。

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