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ミステリの祭典

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二分間の冒険

作家 岡田淳
出版日1991年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/12/15 22:30登録)
たった二分間で冒険?信じられないかもしれません。でもこれは、六年生の悟に本当におこったこと。体育館をぬけだして、ふしぎな黒ネコに出会った時から、悟の、長い長い二分間の大冒険が始まります。昭和六十年度うつのみやこども賞受賞。小学上級から。
『BOOK』データベースより。

児童文学だからと言って少年少女誰にでも推奨出来る訳ではありません。しかし大人が読んだら退屈で稚拙という事もありません。そんな不思議な冒険小説。二分間と云うタイトルは現実世界のそれとは違い、異世界での二分なので桁が違います。それで成り立っている訳で、ジャンルは冒険ですが設定がよくラノベであるファンタジーなのでこちらを採りました。

面白いのは主人公が悟と何故か現実世界でのクラスメイトであるのに、悟に気付かないかおりの二人である事。彼らを含めた総勢60人、30組のいずれも顔見知りだけど相手は悟と面識がない様子の男女二人組が国を治める竜と順番に謎とバトルで対決する物語で、戦いに敗れた者達は若さを奪われて老人になってしまうのであります。謎と云うかなぞなぞ対決はなかなかよく考えられていて、ちょっと頭を捻っただけでは答えに辿り着けそうにもありません。竜は全てを知っていて苦も無く正解を出します。それに対して子供達はそういう訳にはいきません。四番目に対決することになった悟とかおりは果たしてどう竜に挑むのかが一番の読みどころです。

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