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ミステリの祭典

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手首の問題

作家 赤川次郎
出版日1997年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/12/13 22:41登録)
仕事もイヤになり、恋人もいないOLが下着ドロに手錠をかけた。頭に来てベランダにつなぎ、顔も見ないで外出してしまう。残された泥棒はなんとか逃げようとするのだが―。意外な犯人の正体とラストシーンが印象的な表題作をはじめ、人生に追い詰められた人々が見せる、切ない真実を描く極上の短編集。
『BOOK』データベースより。

長めのノンシリーズ短編集。ジャンルで迷いましたが、一応表題作を踏まえてサスペンスとしました。
『天使の通り道』はミステリ要素を含んだ恋愛小説に近いかなという印象です。『断崖』は自殺を計ろうとして来た女性が、荒れ模様の天候に阻まれている間に意外な人間模様に巻き込まれるもので、所謂良い話的な作品。後味も爽やかです。『みれん』は主人公の男が入水事件の生き残りだったはずが・・・その後他の事件に発展していく物語。
総じて面白く読めましたが、あまり永くは記憶に残らなそうな気がします。まあインパクトに欠けるって事でしょうね。

しかし表題作だけは一読忘れがたい作品となりそうです。特に結末は何となくですが作者のイメージとは違う物でした。でもこれだけでも読む価値はあると思います。

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