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ミステリの祭典

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悪魔のようなあたし

作家 山下定
出版日1996年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2022/11/22 22:43登録)
私立・久米沢高校の悪夢の一日は、朝礼直後の地下室で始まった。一時間目の授業が始まるまでのわずかな間に、学園一の美少女・宮参里奈はサイボーグに変身し、里奈を恋する諸井京太は女悪魔に乗り移られて、ある時は男を蕩かすニューハーフに、それ以外の時は顔だけ京太の魔物に変身してしまったのだ。すべては、学園を牛耳るマッドサイエンティスト・神近理事長の仕業だった。二人の、独裁者への反乱が始まった。
『BOOK』データベースより。

山下定を読もうと思ったのは、昨年の一月に読んだアンソロジー『暗闇』の中で著者の短編『ブラインドタッチ』が最も面白かったから。本作を選んだのは何故だか今でも思い出せませんが。
で、結果これが終始ドタバタ劇で、主人公の京太は声や口調がオカマになったり、蝙蝠や蠍に変身したりするわ、ヒロインの里奈はサイボーグになって大暴れしたりと何が何だか。中学二年生位の子供が考えそうなチープなストーリーで、げんなりしました。

最終章だけはそれまでと様相が変わり、私好みのシチュエーションを生み出したため、本来4点以下の所を5点に押し上げました。ここで漸く作者がプロの片鱗を見せたので一安心しました。
ラノベと割り切って読めばある程度楽しめるかも知れませんね。表紙や文中のイラストは古臭く時代を感じさせます。

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