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ミステリの祭典

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脇役スタンド・バイ・ミー

作家 沢村凜
出版日2009年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/11/14 22:27登録)
日々の暮らしの中で、ふと関わった誰かの悩み。あなたは見てみぬふりをしますか、それとも?アパートの上の階の女性が殺人容疑をかけられたら。尊敬していた先輩が定年後の再雇用を認められなかったら…。一つひとつの事件に隠された意外な真相。そしてすべての謎が解かれた時、いつもそばにいた「あの人」に浮かび上がる、切なくも優しい真実とは!?思わずもう一度読み返したくなる、連作ミステリー。
『BOOK』データベースより。

日常の謎、社会派、サスペンス、本格など様々な作風の短編を集めた連作ミステリ。途中で解説をチラッと見てみたら、連作短編集と書いてあり、何処が?と思いましたが、三作目で漸くその関連性に気付きました。作品は全体的にぼんやりとしてインパクトに欠ける気がしてなりません。その中でも最も印象深いのは第四話の『裏土間』。乱歩っぽい様な、乙一の様な・・・。これは際立った異色作と言えると思います。

最終話ではそれまでの主な登場人物が一堂に会し、脇田と名乗る刑事の事を語り合います。するととんでもない事実が目の前に現れます。このラストをどう解釈するのか、賛否が分かれるところでしょう。私は否の方で、この話は後付けらしいのですが、作者が上手く誤魔化してしまったと言うか、有耶無耶にすることで逃げに走ったとも受け取れるので、どうにも不満が残りました。
しかし、前言と矛盾するようですが、一つ一つ取ってみればそれなりに評価出来るものだと思います。

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