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ミステリの祭典

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ドクター・ブラッドマネー 博士の血の贖い
別題『ブラッドマネー博士』

作家 フィリップ・K・ディック
出版日1987年05月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2022/11/10 12:25登録)
 私の引き出しが乏しい故に安易な連想に走っているのは承知の上で、人口密度の低い田舎のコミュニティ、割と典型的な “市井の人” のキャラクター設定、ころころ交代する視点人物――まるでアガサ・クリスティが核戦争後の世界を描いたような小説。
 そしてそれがまた面白い。フリークス系のエピソードも雰囲気のせいで当たり前の話のように読めてしまった。複数のネタが平行して、適度に干渉し合いつつ、きっちりした結末には落とし込まずにタイムゴーズバイ~とばかりに何となく〆る。ディックのやり口にはだんだん慣れて来たぞ。

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