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ミステリの祭典

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レフトハンド

作家 中井拓志
出版日1997年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2022/11/06 23:00登録)
製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。漏れだしたのは通称レフトハンド・ウィルス、LHVと呼ばれる全く未知のウィルスで致死率は100%。しかし、なぜ三号棟がこのウィルスを扱っていたのかなど、確かなことはなにひとつわからない。漏洩事故の直後、主任を務めていた研究者・影山智博が三号棟を乗っ取った。彼は研究活動の続行を要請、受け入れられなければウィルスを外へ垂れ流すと脅かす…。第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
『BOOK』データベースより。

くどくて長い。正直何度もイライラして挫折しそうになりました。ネットを見ると似たような感想の人も多々見られました。それでも意地で読み切り、結果最後まで読んで良かったと、今では強く思っています。タイトルや設定等から想像されるB級ホラー臭はギリギリ回避出来ている感じですね。
本筋では何と言っても、何故未知のウィルスで人間がこんな悲惨な目に遭っいくのか、そしてこのウィルスは何処から来たものなのかが問われるところだと思います。その辺りは中盤に著されています。厚生省(現在の厚生労働省)から派遣された一応主人公の学術調査員である津川と四角い顔の男(せめて名前と役職くらいは明記して欲しかった)との論戦がそれに当たります。

津川はいきなりカンブリアの復活とか言って、屁理屈で捩じ伏せようとします。イマイチ納得は出来ないものの、仮説としては面白いです。人類の新たな進化とでも言うかのように。
物語は遅々として進みませんが、後半に怒涛のような展開が待っています。ここから急に面白くなり、話も進展していきます。そしてラストに待ち受けているのは・・・?でした。ネタバレはないかと検索してみましたが、結局深い意味は無いようで、私の読み落としでもなかったみたいです。

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