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ミステリの祭典

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死はいった、おそらく......

作家 ボアロー&ナルスジャック
出版日1971年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 クリスティ再読
(2022/11/03 13:40登録)
ボア&ナル本サイトに全部あるか?と思ってたら本作まだのようだ。
なので中期の作品。初期ほどには心理的な混乱がないので、読みやすいスリラー。

保険会社の社員ローブは、ニースの自殺防止協会の視察で、自殺予告の電話対応を見ていた...深夜に電話をかけてきた女への懸命の説得も甲斐なく電話を切った女。その通報を受けた警察はホテルで自殺を図った女の命を救う。ローブは自殺を図った女ズィナを見舞い、ズィナの身の振り方の相談に乗って、友人の香水工場に仕事を紹介した。ローブはズィナに恋をするのだが、ズィナは度重なる事故に追い詰められて自殺を図ったらしい。しかし、新しい環境でもズィナを巡ってさまざまな「事故」が起きていく....この「事故」の真相は?

という話。「自殺念慮の強い女性」に恋をしてしまう男、というのもまあ厄介なもので、そんな男のややこしい心理を主体にしたサスペンス、ということにはなる。ボア&ナルの通例で登場人物はごく少ない。だから、真相は...といえば何となく見当がついてしまうのが「ミステリ」としては不満だし、それを押し切れるほどの「強烈なサスペンス」というまでのものは立ち上らない。

結論としては標準的なボア&ナルのサスペンス。手の内が分かっているから、ごく普通に楽しめるけど?というくらい。
ただし、タイトルのセンスが素晴らしい。マネしたいくらい。

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