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ミステリの祭典

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高島太一を殺したい五人

作家 石持浅海
出版日2022年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2022/12/04 08:41登録)
(ネタバレなし)
 講師たちの間柄がアットホームな職場。それが未亡人の塾長・高島多恵子が今まで築き上げた学習塾の評判だった。だが塾生のひとり、中学三年生の枝元絵奈は秘密の連続殺人犯であった。多恵子の息子で塾講師のひとり・高島太一は、家業の塾の生徒が殺人者という醜聞を秘匿するため、絵奈を謎の殺人鬼当人に殺されたように見せかけて殺害する。だがそんな太一の行為はほかの講師たち5人にも露見しており、彼ら彼女らはそれぞれ別個の思惑から、太一を殺害しようとするが、そんな面々が見たものは……。

 設定は、旧クライムクラブか1950年代のポケミスに散見した、当時の新時代の海外ミステリの波を思わせるようで面白かった。
 主人公の5人が何を認めて何をしようとするのかはナイショだが、そのあとの贅肉をそぎ落とし、ひたすらロジックを弄する作劇の流れもおもしろい。

 ただし弱点は、この物語の果て、やがて迎える終盤にサプライズを設けるなら、あの手しかないだろ、と思っていたら、まんまとその通りだったということ。
 正直、このオチは、大半の読者がヨメるのではないか。

 逆に言えば、あと、さらにもうひとひねりのツイストが用意されていれば、かなり高いコストパフォーマンスで最大級の効果を上げられたんじゃないかと思うんだけどな。

 佳作、にはなってると思う。

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