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ミステリの祭典

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背律
向井俊介シリーズ

作家 吉田恭教
出版日2016年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2022/10/24 09:06登録)
(ネタバレなしです) 2016年発表の向井俊介シリーズ第4作の本格派推理小説で、この作者らしく複雑な動機が招いた犯罪を描いています。トリックについては古典的な小道具を使っていますが、使い方に細かい工夫を織り込んでいるのもこの作者らしいです。しかし本書で1番印象に残っているのは謎解きよりも向井俊介の描写です。これまでのシリーズ作品と違って第三者(向井とパートナーを組むことになった厚生労働省の女性職員)の視点での描写なのですが、向井ってこんなに口が悪くて軽薄なキャラクターでしたっけ?、と思わせる描写です。まあ女性刑事とのやり取りではあちらもマウントを取りにきているからお互い様なのかもしれませんけど。名探偵らしい実力を発揮して立場が見直されていくとは言え、能力があってもあの社交性では無難な人間関係は築けないでしょうね。

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