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ミステリの祭典

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赤い鳥、死んだ。

作家 辻真先
出版日1997年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2024/10/02 11:16登録)
 北原白秋を引き合いに出して童謡だ童心だと語っている内容は別に目新しくも無いが、作者は承知の上でもう一度言い直しておきたかったのだろう。そういう題材で今更そこまで斬新な意見が出て来るものでもないしね。
 しかし “子供は残酷、狡猾、破壊的で自然” と言うなら、瑠々へのいじめも全否定は出来ない筈。その矛盾を止揚するヴィジョンは示されなかった。
 ミステリとしては、犯人の存在感が事前にもう少しあると良かった。前記の題材を語り過ぎて登場人物を描くスペースが足りなくなったのだろうか。

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