ベティー |
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作家 | ジョルジュ・シムノン |
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出版日 | 1992年10月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | クリスティ再読 | |
(2022/10/16 19:57登録) シムノンでも本作はミステリ的興味はほぼない作品。しかも、女性主人公、というのはかなり珍しい。強いていえばシムノンなら「ペペ・ドンジュの真相」、あるいは「テレーズ・デスケールー」に近い話。要するにフランス伝統の人妻心理小説。SEXと「罪」が主題で自分から破滅を求めていく女性が主人公だから、神父とか登場しないけども一応純文学のカトリシズム小説の部類だろうか。 ≪穴≫は終着駅だ。奇人、変人たちの終着駅! 精神病院や死体置場にいく前の最後の停留所。 このバー≪穴≫で酔い潰れた女、ベティー。偶然のことながらベティーを放っておけずに、医師未亡人のロールは、ベティーを自分のホテルに連れ帰り介抱する。ベティーは自身が抱えるトラウマと夫に対する不満から、不倫にふけった報いで、家を追い出されたところだった... というような話。いや実に話はシンプルで、女性のSEXと罪をテーマにした小説なんだけども、結末もやや釈然としない。シャブロルが映画化したこともあって、訳されたようだが、どうやら日本未公開。 う〜ん、こんなのもシムノン、描くのね。 |