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ミステリの祭典

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アド・バード

作家 椎名誠
出版日1990年03月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 8点 虫暮部
(2026/06/23 16:07登録)
 日本語を基盤に据えた異界構築。筒井康隆とか小林泰三とか北野勇作とか酉島伝法とかがやってるけど、本作も負けていない。それをやると皆不思議とヌルヌルした世界になるなぁ。人間の登場しない章が幾つもあるところが良い。
 (菊丸と離れた時の)マサル、脳髄男、キンジョー、C4の一行って、キャプテン・フューチャーのフューチャーメンみたいじゃない?

No.1 7点 糸色女少
(2022/09/06 22:12登録)
エスカレートした広告戦争の結果、文明が没落した世界での父親探しの物語と言えばよくある話のようだが、この架空世界の描写がとんでもなく奇想天外でスリリング。スターリング風の生体改造・遺伝子改変によって広告のために生み出されたキメラ生物群の異様さは、筒井康隆の「ポルノ惑星のサルモネラ人間」にも匹敵する。
配下の小鳥や虫たちを使い壮絶な死闘を繰り広げる戦闘樹、カーテンを開けて泊り客に外の広告を見せるだけに命を捨てる虫、人間の客を待ち続けるうちに発狂してしまった百貨店の接客アンドロイド、など物語の合間に挿入されるこれらのエピソードは、独立した短編としても抜群の出来で強烈な印象を残す。
グロテスクな中にブラッドベリ的な詩情さえ漂い、異様でありながら奇妙に美しい。これは英国SFの伝統を受け継ぐロードノベルであり、椎名誠版「地球の長い午後」でもある。

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