home

ミステリの祭典

login
瑠璃色の一室

作家 明利英司
出版日2018年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/09/23 22:37登録)
住宅街の中にある寂れた公園サンパーク。そこで浮浪者が殺された。元恋人への復讐を目論む鈴木真里、冷静な観察眼を持つ刑事竹内秋人、精神科病棟で友の帰りを待つ桃井沙奈。サンパークをのぞむ瑠璃色の古いアパートの一室を舞台に、それぞれの現在と過去がつながり、事件は思わぬ展開へ。
『BOOK』データベースより。

中山七里が書いている様にホワットダニットをメインに据えた珍品。全体的に地味で驚くような展開はありませんが、証言にちぐはぐな点が多々見られ、一体目の前で何が起こっているのか分からない不透明感に見舞われるます。一見単純に思えるホームレス殺人事件の裏には意外過ぎる真相が浮かび上がり、全く事件と関係なさそうな精神科病室のパートが交錯し、とんでもない繋がりを持ってくるとはちょっと予想が付きませんでした。

読んでいて飽きる様な事はありません。ですが、面白いかどうかと問われるといまひとつかなという印象ですね。ただ、非常に真面目に描かれているとは思います。そこここに伏線が張られていて、注意深く読まなければ見落としてしまいがちなので侮れません。

1レコード表示中です 書評