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ミステリの祭典

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禅定の弓
鬼籍通覧

作家 椹野道流
出版日2004年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2022/09/03 22:51登録)
老人の焼死体がO医科大学法医学教室に運び込まれた。伊月とミチルが解剖したところ、火事の前に死亡していたことが明らかになり、一転して事件の様相を帯びる。一方、同じ市内で、野犬やウサギなどが連続して惨殺される。遺体からこぼれ落ちたピンバッジは何を語る?胸に迫る超リアルメディカルミステリ!
『BOOK』データベースより。

これまでのホラーテイストと違い、何の捻りもないミステリです。ミチルはほぼ脇役で伊月と刑事筧がメインの物語。BL物も得意としている作者だけに、その気配も全くないとは言えません。老人の焼死体と動物殺傷事件がどう繋がって来るのか?誰もが予想出来る真相ではあります。うーむ、やはりこの人は本格ミステリに向いていない体質の様です。

ただ、エピローグはほっこりした雰囲気で終わりますので、後味は良好です。持ち味の司法解剖のシーンもいつもの迫力がなく、単なるオマケみたなものですね。
まあ、たとえ小さな命でも動物を虐待してはいけない、ましてや殺すなどもっての外であるとのメッセージが込められた一作でしょうね。

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