Le cri du sang |
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作家 | フォルチュネ・デュ・ボアゴベ |
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出版日 | 2017年07月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2022/08/28 13:34登録) ボアゴベは黒岩涙香等による翻案の後、戦後はほとんど無視され、忠実な翻訳はごくわずかです。確かに感覚的(特に道徳性)は時代を感じさせるものの、たぶん翻訳(案)されたことのない本作は、おもしろくできています。タイトルの意味は「血の叫び」。「血」とは血液ではなく血縁、血脈を意味しているようです。 パリの西方郊外にあるシャトゥーの線路沿いで、伯爵夫人が走っている汽車の窓から銃で撃ち殺される事件が起こります。数日経って、汽車乗務員が座席の陰から拳銃を発見したと警察に届け出てきて、その拳銃の持主、伯爵の娘の婚約者が逮捕されます。しかし彼の無実を信じる伯爵家の友人ロラン少佐は、伯爵の持家を買い取ろうとしている別の男に疑いの目を向けます。 後半完全に犯人の目星がついてから、少佐と伯爵家の家庭教師エレーヌの視点をカットバックさせて意外性を出していく構成はなかなかのものです。 |