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ミステリの祭典

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金色の花粉
部長刑事シリーズ

作家 島田一男
出版日1960年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 斎藤警部
(2022/08/24 18:27登録)
□□金色の花粉□□  犯人は意外だが、思わせぶりなアガサ風高等戦術を匂わせた割には驚きの少ない犯人設定。だがそこから人情譚に雪崩れ込むラストは良い。浅草ストリップ劇場を舞台に錯綜気味の連続事件の中、殺人未遂の動機の機微にはやられた! 
□□泥靴の死に神□□  高級クラブホステスが妙な格好で電車轢死。鑑識側を主人公に、公安の斎藤警部も呼び込み、今回は脇に回った庄司部長刑事が豪腕人間属性トリックを静かに見守った、意外性突き抜けるキツめの一篇。
□□青い死化粧□□  病院の外来者に対する無防備ぶりが招いた全裸屍体遺棄。意外性も話の動きも少ないし、犯人像も何だかなァてなもんだが、シマイチ話術にうっかり乗せられ、艶笑苦笑の物証発掘エンドに宥められておしまい。
□□宿敵□□  激烈な倒叙ショートショート(と思ったら意外と頁数あった)。小さな郵便局の不良局長が毒殺された。。とこれだけでピンと来そうなささやかなトリックが使われるが、この熱いスリルは流石なにげに人間と人間ドラマが描かれてあるからこそ。鮎川と清張が短いのを共作したら島一に化けちゃった感じ。庄司さんがいつになくミステリ的に格好良くて嬉しい!
□□密室の女王□□  動機もトリックも微妙だが、ダイイングメッセージの意図と効能には意外性あり。大学教授が密室で頭を打ち死亡、周辺には怪しい人物がうようよ。しかし、もう少し人間ドラマ深掘りしないと結末に驚けないよなあ。またしても庄司部長刑事は脇に回る。
□□自殺要員□□  凄いタイトルと、強い最後の台詞。この二つで話全体を支えておるな。大手芸能プロダクション社員が東京地検の厠所にて変死。社会派もどきと人情譚もどきの掛け合わせだが、それなりに読ませる。しかし、今度の庄司さんは脇どころかチョイ役やないか!

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