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ミステリの祭典

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爆撃聖徳太子

作家 町井登志夫
出版日2004年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/08/07 22:49登録)
隣国を次々に従え、世界帝国への道をひた走る隋帝国。その矛先は琉球、そして朝鮮半島へと向けられた。倭国に攻めてくるのも時間の問題……。この危機に敢然と立ち向かったのが、厩戸皇子、のちの聖徳太子である。
遣隋使となった小野妹子をはじめ、周囲の人びとを巻き込んだ聖徳太子の戦いの行く末は!?
「なぜ隋の煬帝を怒らせる国書を送ったのか」「“聡耳"と言われた理由」「その後半生に政治的空白期があるのはなぜか」「黒駒伝説の真実とは」――聖徳太子をめぐる数々の謎を解き明かしながら、東アジアを舞台に壮大なスケールで描かれる、衝撃の古代史小説。
Amazon内容紹介より。

面白いんだけど、タイトルに偽りありですかね。厩戸皇子(聖徳太子)は神出鬼没でたまに出現しては「うるさい、うるさい」と言いながらすぐにどこかへ行ってしまい、ほぼ主役は小野妹子です。終盤にやっと活躍しますが、人間的にあまり好きにはなれません、それより生真面目な小野妹子の方に感情移入し易いかと。十人の話を一度に聞いていたと伝説的に言われているその謎に一応の解を見出していたりはしますが。

思った以上に隋との戦闘シーンが多く、そこには必ず小野妹子の姿があり、舞台は琉球であり高句麗であったりします。なるほど当時の戦いはこんな感じだったんだろうか、などと想像を巡らせて感心しました。それ程迫力はありませんが、戦略的に見てなかなか面白いと思います。ラストの黒駒伝説の新説には唖然とさせられる事必至。

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