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ミステリの祭典

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沈みかけの船より、愛をこめて
幻夢コレクション/共著:中田永一・山白朝子・安達寛高

作家 乙一
出版日2022年05月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2022/07/26 17:00登録)
 ここに収められた怪しげな作風の三人の近作を比べてみると、乙一は明らかに山白朝子のミソロジー的側面を上手く取り込んでいる。登場時は山白朝子が乙一フォロワーみたいだったのに、まぁそういう逆転はよくある世界だからね。中田永一は乙一をポストパンク的に脱格と言うか漂白した感じ。パクりとまでは言わないが。一編のみ収録の山白朝子は安定の怪談専門家ぶりではあるが、実は中田永一作品のキュビズム的展開の三回半捻りあたりを意図しているんじゃないかとの気もする。
 相互の影響が見え隠れして解けないパズルの如きアンソロジー。ナイアガラ・トライアングルのようなものか(違う)。

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