home

ミステリの祭典

login
もはや僕は人間じゃない

作家 爪切男
出版日2021年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/07/23 22:55登録)
手痛い失恋、家族との確執、そして自らに起きた性の揺らぎを抱えながら、人生の暗黒期を過ごしていた著者。孤独の中から救い出してくれたのは、パチンコ中毒のお坊さんと、「トリケラ」という源氏名のオカマバー店員だった。誰が一番エロい仏像を見つけられるか競争したり、連絡が取れなくなった知人のLINEに天丼のスタンプを100個送ったり、知らない子どもの剣道の試合で号泣したりしながら、辛い過去を笑い話に変えていく日々。
『死にたい夜にかぎって』から1年。人生のどん底を「なんとなく」乗り越え、夢を叶えるまでを描いた実話。
Amazon内容紹介より。

一応エッセイに分類されている様ですが、完全な実話とは思えないのでジャンルはその他にしました。爪切男はこんな色んな経験を本当にしているのだろうか、と云う疑問は誰しもが持つところだと思います。それ程悲惨でありつつもドラマティックな人生を送る作者に乾杯。
簡単に言えば、オカマと坊主と親父、そして主人公の私的な内容です。押し付けがましくなく、さり気なく生きる上での教訓を与えようとする姿勢が垣間見られます。それも飽くまでナチュラルな、経験に基づく作者一個人としての真摯な想いであり、却って真に迫るものがある気がします。

しかし、これを誰かに薦めたらまず引かれるでしょう。
例えて言えば3年C組青春高校公式YouTubeチャンネルの『店長さん、私とグラビア語りませんか?#3』みたいな感じです。現役アイドルの頓知気(とんちき)さきなが80年代のグラビアを語るんですが、そこそこ可愛い女子がそんな大胆な事を口にしてしまうのか、というギャップ萌えの落差が凄いです。このコンテンツの中では断トツの再生回数を誇っていますので、興味のある方は検索してください(笑)。

1レコード表示中です 書評