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ミステリの祭典

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狂乱家族日記 九さつめ
狂乱家族日記シリーズ

作家 日日日
出版日2008年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/07/15 22:44登録)
『来るべき災厄』で力を使い果たし、赤ん坊となった月香。しかしこの赤ちゃん、お腹が減っては泣いて電撃、おむつが濡れては泣いて電撃、と凶華も凰火も子育てなのに命懸け。父はいても乳はでない狂乱家族、さすがにお手上げ状態!?そんな中、優歌に異変が…。そして、月香の成長と交互に語られる、すべての始まり、千年前の「家族」の真実の物語とは―。待望の「閻禍伝説編」ついに開幕。まだまだ続く、馬鹿馬鹿しくも温かい愛と絆と狂乱の物語。 
『BOOK』データベースより。

今回は月香の成長日記的な、前作までの大騒動とは真逆なほのぼの系の物語。久しぶりに家族が一致団結する本シリーズらしい話です。特に優歌以外の家族がそれぞれこれまで登場した知己たちに助けを求めて、行方不明となった優歌を探して奔走するくだりはとても私好みで面白く読めました。一方で物語の根幹となる閻禍の若き日のエピソードが描かれており、こちらも興味深いものがありました。

シリーズとしては作者の言う通り新章に突入した感はあります。私としては第二部かなと思っていましたが、第三部、起承転結で言うところの転の始まりらしいです。つまり、ミステリで言うと伏線を回収し推理する段階に入ったそうです。でも結局こんなんで良いんですよね。優歌と月香のいがみ合いを家族がオロオロしたり結束したりしてワイワイやっている感じがいかにもな雰囲気で、仮初であっても家族って良いもんだなと思わせます。

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