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ミステリの祭典

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妖精作戦
妖精作戦シリーズ

作家 笹本祐一
出版日1984年08月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 メルカトル
(2022/07/11 22:55登録)
夏休みの最後の夜、オールナイト映画をハシゴした高校二年の榊は、早朝の新宿駅で一人の少女に出会う。小牧ノブ―この日、彼の高校へ転校してきた同学年の女子であり、超国家組織に追われる並外れた超能力の持ち主だった。彼女を守るべく雇われた私立探偵の奮闘むなしくさらわれてしまうが、友人たちは後を追い横須賀港に停泊する巨大原潜に侵入する。歴史を変えた4部作開幕。
『BOOK』データベースより。

元祖ラノベという事で、Amazonの評が割れているのにやや不安を覚え乍ら読んでみると、久しぶりにハズレに出くわしました。初版の朝日ソノラマ文庫が出版されたのが1984年、今では古臭さがどうしても拭い切れません。それ以前に最も重要な要素であるキャラが立っていません。これは心理描写がほぼ皆無であること、台詞に感情が篭っていないことが主な原因と思われます。ついでに言うと情景描写もありません。そして矢鱈スケールが大きいのに対して、文章がそれに付いて行けていないのもマイナス要素ですね。結果、単なる善と悪の追い掛けっこのドタバタ劇以上でも以下でもない凡作に仕上がってしまった印象です。因みに敵組織の背後関係なども無視されているという、手の抜き様。

それにしても一体何を思ったか、東京創元社が十一年前に再版させるという愚行に出たのが信じられません。二巻目以降評価が高くなっているのがせめてもの救いで、魔が差して全巻購入してしまった私の慰めであります。まさか二巻目から劇的に面白くなるとは思えませんが、頼むから5点くらいは付けさせてくれと願うばかりです。

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