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ミステリの祭典

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少年は死になさい…美しく

作家 新堂冬樹
出版日2019年03月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 HORNET
(2022/07/11 20:20登録)
 恭介のもとに、1枚のDVDが送られてきた。その中身は、妻と娘、そして妻のお腹の中の胎児が弄ばれたうえ惨殺される、極悪非道な少年たちの犯罪シーンだった。愛する家族の凌辱・惨殺に半狂乱になる恭介…となるかと思いきや、恭介の口から出た言葉は「こんな殺し方は…美しくない」。恭介は、犯罪少年たちを超えるレベルのサイコパスだった―

 人の心を持たぬのかと思えるほど極悪非道な少年たちの残虐行為―ところが、その被害者家族であるはずの男は、それを凌駕するほどの異常者だった。と、つかみはなかなかに興味深く、その先の展開が期待されたのだが、その後のストーリーはある意味「その通り」の展開で、ただただ残虐シーンが続く。恭介の目論見が何らかの形で崩れたり邪魔されたりするほうが面白かったと思うのだが。
 それなりによい結末を期待する読者であれば、ただただ胸糞悪い、救いようないストーリーと感じる一作。

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