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ミステリの祭典

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また殺されてしまったのですね、探偵様
追月朔也シリーズ

作家 てにをは
出版日2021年08月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2022/06/29 23:09登録)
殺された。やっぱりまた殺された。
伝説の名探偵を父に持つ追月朔也は、半人前の高校生探偵。
今日も依頼を受け、意気揚々と浮気調査や猫探しなど地味な仕事にいそしむが、なぜか行く先々で殺人事件に巻き込まれてしまう。
しかも"被害者"は自分自身!?
特殊体質によって毎度生き返る朔也を膝枕で出迎えるのは優秀な助手リリテア。
「また殺されてしまったのですね、探偵様」
「……らしいね」
探偵として、そして被害者として、朔也は文字通り命賭けで数々の難事件を解決していく──!
てにをは×りいちゅで贈る極上の本格ミステリー、開幕。
Amazon内容紹介より。

中編、短編、中編で構成された作品集。レーベルがレーベルだけにてにをは、ラノベに寄せてきましたね。わざわざ読者に迎合せず普通に書けば、もっと面白くなったのではないかと思うと、勿体ないなあと云うのが素直なところ。まあラノベファンはお喜びでしょうが。
シリーズ化を意識して、最初から伏線を張りまくっています。事件そのものは目を瞠る様なものではありませんが、その伏線が効いて次巻以降も読まずにはいられない気にさせてしまいます。

これはネタバレにならないと作者自身があとがきで書いているので、敢えて書きますが、半人前探偵の追月朔也は何度殺されても、どんな殺され方をしても必ず蘇ります。しかし、被害者になりながら犯人は分からないので、自身で推理するしかないって感じで、やむを得ず探偵稼業をせざるをえない、新たな探偵像の誕生なのです。
それにしてもラスト一行の恐ろしい事、これには驚きましたよ。
これまで三作刊行されていますが、まだまだ続くんだろうなあ・・・。

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