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ミステリの祭典

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断絶

作家 堂場瞬一
出版日2008年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ぷちレコード
(2022/06/27 23:07登録)
閉塞感に満ちた地方都市・汐灘に全てを捧げた老政治家と、正義感あふれる刑事が、互いの信念をかけて対峙する。
次期選挙に向けて後継者選定を迫られる剣持隆太郎。剣持家は三代続く代議士一家で、剣持は息子、一郎に跡を継がせたい。しかし一郎には覇気が足らず、地元の支持を十全に取り付けられていない。そこへ現職の知事が出馬を表明し、後継者争いが勃発する。
一方、銃で頭を撃ち抜かれた女性の遺体が、汐灘で発見された。事件を担当する県警の石神は、自殺と他殺の両面で捜査に当たるが、そこに上層部からの圧力がかかる。自殺で決着させられそうになり、納得できない石神は単独での捜査を継続する。
別々に進行する2つのエピソードが絡み合い、最後に二人をつなぐ因縁が明らかになるラストは圧巻。登場人物の内面は鳴沢シリーズに劣らず濃密に描かれ、「家族」というテーマに真摯に取り組んでおり、読み応えがある。

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