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ミステリの祭典

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黒い玉
十四の不気味な物語

作家 トーマス・オーウェン
出版日1993年07月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2022/06/27 22:20登録)
夕暮れどきの宿で、彼がつけた明かりに驚いたかのように椅子の下へ跳び込んだそれは、かぼそい息づかいと黄楊の匂いを感じさせる奇妙な“黒い玉”。その正体を探ろうと、そこを覗き込んだ彼を待ち受けるのは、底知れぬ恐怖とおぞましい運命だった―。ベルギーの幻想派作家トーマス・オーウェンが描く、ありふれた日常に潜む深い闇。怖い話、気味の悪い話など十四の物語を収録。
『BOOK』データベースより。

ジャンル不明の短編集。一応幻想小説という事になっている様ですが、それにしては幻想味が感じられません。ホラーテイストの作品も含まれていたりもします。全般的にオチが弱いですね。ほとんどオチてないのもあります。
こうした多分に観念的な小説の肝はどれだけ読者の心の琴線に触れるかが勝負だと思いますが、残念ながら私には行間が読めていなかったせいか、全くそれらしい感触は得られませんでした。

それでも二、三は印象の残る作品もありました。ですが、良いところまで行ってはいるのに、結局突っ込みが足りないと云った具合に物足りなさが残りました。回りくどい面もあり、もっとストレートな作風が好みの私には、何がしたいのかイマイチ分からないもどかしさを感じましたね。
Amazon登録読者の中には結構高評価の奇特な方がおられるようですが・・・。

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