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ミステリの祭典

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鵺の家

作家 廣嶋玲子
出版日2015年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 まだ中学生(仮)
(2022/06/18 22:34登録)
大富豪の天鵺家が、跡取りの少年・鷹丸の遊び相手を募集した。活発な少女・茜は、守護神の雛里が見えたことでその役に選ばれ、天鵺家の養女になる。
高価な調度品が並ぶ屋敷で暮らし始めた茜は、まず家族全員が鷹丸に冷淡で、謎めいた世話係の静江が鷹丸の面倒を見ている異様さに驚く。天鵺一族が、屋敷の背後に広がる黒羽ノ森から跡取りを殺すために襲撃してくる虫を恐れ、奇妙なしきたりを守り、奇怪な儀式を行う不気味な展開は、まさに和製ゴシック・ホラーといえるだろう。
特に儀式の日、一人で屋敷を守ることになった茜が、天鵺家を呪う虫の大群に襲われる場面は、背筋が凍るほど恐ろしい。やがて茜は、一族の繁栄のため人知れず家族を切り捨てた天鵺家の暗い過去が、呪いを生む原因だったことを知る。
茜が、天鵺家の悲劇を終わらせるため使った方法は、家庭や社会に根を張る「闇」と戦うには何が必要かを教えてくれる。

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