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ミステリの祭典

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東京ホテル物語

作家 阿刀田高
出版日1988年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 蟷螂の斧
(2022/06/10 10:48登録)
(再読)裏表紙より~「東京のシティ・ホテル。ファッション感覚で選ばれる都市の非日常的空間。今日も男と女が出逢い、そして意外な結末が訪れる。」~ミステリー要素は少なく、男と女の心の機微を描いた短篇集。
①シャワー・キャップ 5点 男の漕ぎだす船にちょっと乗ってみよう。でも既に浴室に濡れたシャワー・キャップが・・・女心
②泳ぐ男 6点 プールで昔の知り合いに似た女性に声をかける・・・男の妄想
③甘い薬 7点 新婚初夜に胃痛。「いくつ飲むのかしら、飲みにくそうね」「糖衣錠ですよ」・・・まるで落語
④黒子 6点 ホテルのボーイは有名人の世話を何回もするが、顔を覚えてもらえない。自分が有名人になってみると・・・見えるものが見えない
⑤雨 6点 ホテルの客待ちタクシーではなく、目の前に止まった客を降ろしたばかりのタクシーに乗ろうとしたら、ボーイが止めた・・・イマジネーション
⑥マルガリータの夜 5点 惚れた女が、風俗で働いていたと分かるが・・・男の癖
⑦笑う女 6点 28才、小じわが増えた。今日は結婚式。どうして結婚することになったのだろう?・・・含み笑
⑧旅立ち 4点 真夜中のホテルのエレベーター。37階、34階、29階に止まったが誰も乗っていない。ボーイの横で待っている女性は・・・怪異
⑨花の刺繍 8点 レストランで同席した手品師は、昔、歌手になった恋人を亡くしたという。しかし、今、目の前で歌っている歌手が昔の恋人という。頭が変?・・・幻?イリュージョン?
⑩うしろ姿 6点 別れるのが本当の恋愛。「俺のこと、厭になったら、その日は香水なしにしてくれ」・・・嫉妬
⑪危険な場所 6点 ゴンドラでの窓ふきの二人。「遊びに来いよ。女房の手料理で飲もう」。そのゴンドラを見上げる女性・・・浮気
⑫お人よし 5点 通子はコンパニオン。お人よしだから男の誘いを断れない・・・オカルト

(余談)1989年、石川秀美さん主演でTVドラマ化(4回放送)されています。主題歌は松任谷由実さんの「リフレインが叫んでいる」

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