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ミステリの祭典

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夜の写本師

作家 乾石智子
出版日2011年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/06/04 23:15登録)
右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る“夜の写本師”の修業をつむが…。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションをまき起こした著者のデビュー作、待望の文庫化。
『BOOK』データベースより。

魔術、魔法ものとは言えよくあるラノベとは一味違います。中身が重いです。物語は面白いんですが、描写力というか表現力に問題がある為、もっと盛り上がっても良い場面でイマイチテンションが上がりません。
写本師とは聖書等の精緻を極める書物をそっくりそのまま書体まで書き写す職業で、それをマスターすることで魔導師にも劣らない力を得る主人公のカリュドウ。ストーリーはその魔術の業を駆使して最強の魔導師アンジストに、千年の時空を超えて復讐を誓うというもの。

総勢30人近い主要登場人物に混乱しながら読んでしまったのもあって、すんなり頭に入って来る様なやわな話ではなかったのは間違いありません。飽くまで硬質でエンターテインメント性が足りない分、文学として優れていると言えるのかも知れません。私にとっては読み難いとも言いますが。一般受けするとは思いませんでしたが、Amazonの評価は結構高いのでやはり私の読解力が足りなかったとしか考えられませんね。

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