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ミステリの祭典

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やくざの帰還

作家 ミッキー・スピレイン
出版日不明
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2022/05/20 23:37登録)
収録中編2編のうち。表題作はライアンの一人称で語られる、『おれはやくざだ!』の続編です。長編ではご存知マイク・ハマーの他タイガー・マンのシリーズがある作者ですが、中短編では同じ主役を使ったものは他にはないようです。前作についても多少触れられていますが、話のつながりはありません。前作の訳は井上一夫の一人称を「わたし」としたかっちりした文章だったのに対し、本作の久保順訳は「おれ」で、「喰うことにしたんだな。」とか「全くいいや。」とか、さすがにくだけすぎかなと思えます。ポケミス100ページほどの中に、様々な要素をつめこみ、誰が誰やらわからなくなるようなところもありましたが、次から次へと人が殺されていくスピード感はなかなかのものです。
『私生児バナーマン』は表題作ほど目まぐるしくはありませんし、訳文も少しおとなしめ。悪役の正体が明かされた後の意外性は、本作ではうまくきまっていると思いました。

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