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ミステリの祭典

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三浦和義事件

作家 島田荘司
出版日1997年11月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 Tetchy
(2008/11/01 14:13登録)
最近疑惑の死を遂げた三浦和義氏。
ノンフィクション作品だがここに上がっていたので感想をば。

面白いのは当然のことながら、マスコミサイドの視点で描かれた三浦像と三浦本人の視点で描かれた造形がものの見事に食い違っていることだ。情報操作というものは非常に恐ろしいものだと痛感した。
おそらく対岸の火事と思い、読んでいる私を含めた読者も、犯罪に巻き込まれ、いわれのない容疑をかけられた時、どのように周囲が、世間が自分に対して変化していくのか、それをまざまざと見せつけられる。

本書の最後で島田はこのようなことを云う。

「重大事件に必ず犯人が挙がるとは限らないことを、われわれ日本人はそろそろ学ばなければならない」

これは世間が騒ぎ立てたがために警察・検察が三浦を何が何でも犯人として挙げざるを得ない状況に追い込まれたことを批判した文章なのだが、本格ミステリ作家である彼がこのようなアンチテーゼめいたことを発言するのが興味深い。

No.1 7点 アデランコ
(2002/12/13 00:40登録)
ロス疑惑といわれ、保険金殺人事件の容疑で逮捕された三浦和義被告をマスコミ・三浦和義・裁判の視点から検証するノンフィクション。(ある意味ミステリだと思うので、ご勘弁を)
これをじっくり読んで、裁判制度というのはいいかげんな部分も多いのだなと思いました。
マスコミの行き過ぎた報道姿勢にも嫌気がさしてきます。
テレビでみる三浦和義は胡散臭かったですが、この本を読んで大分印象が変わりました。
真実は神のみぞ知るですが、これでは冤罪事件も後を絶たないなと思ったのが読んだ感想であります。

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