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ミステリの祭典

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Le rapport du gendarme

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日2000年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2022/05/03 17:47登録)
原題の意味は「憲兵の報告」。
田舎のかなり裕福な農家を舞台にした作品です。ロワ家の前の道で、見知らぬ男が自動車に轢かれて重傷を負っているのが発見されます。男はしばらく意識不明のままなのですが、彼はロワ家の住所が書かれた紙を持っていました。たぶんポケットから落ちたその紙を、ロワ家の主婦ジョゼフィーヌがこっそり拾い上げるのを見た憲兵のリベルジュは、疑惑を抱き、報告にもそのことを書きます。
男は何者なのか、そこに来た理由は何なのか、また誰に轢かれたのか。普通なら、その謎解きが中心になるでしょうし、実際最後までにはそれらの問いにも答は一応用意されているのですが、それよりもその男がロワ家で介抱されることになったことがきっかけで、疑心暗鬼がロワ家を包み、最後にはとんでもない事態になってしまうという、シムノンの中でも特に後味の悪い結末の作品です。

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