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ミステリの祭典

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流行作家殺人事件
大貫警部シリーズ

作家 赤川次郎
出版日1996年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2022/04/30 23:01登録)
超ベストセラー作家・牛田竜介は本当に実在するのか。原稿の受け渡しも、常に秘書の久江を介してのみ行なわれ、編集者の誰一人として彼の姿を見た者はいないのだ。その仕事場で起きた殺人事件。犯人は姿を消した牛田なのか。捜査に乗り出した大貫警部と井上刑事のコンビが突き止めた思いも寄らぬ真相とは。
『BOOK』データベースより。

ユーモアミステリだと思いますが、肝心の大貫警部は大して活躍しません。ただその言動が一般人と異なると云うだけで、推理もしなければ捜査もしないという、階級に相応しくない人物で、あまり笑えません。結構長く続いているシリーズで人気もあるそうですが、何処が面白いのかイマイチ理解できませんでした。プロットなどは成程こなれているのは認めます、しかし色々説明不足な点が多く、何だか内容があまり頭に入って来ません。これじゃあ別に文庫化する必要性ないじゃんと思ってしまいました。まあ、気軽に読みたい、あまり頭を使いたくないという読者には良いのかも知れませんが、逆に読み難くないかなという気がしてなりません。

表題作はそれらしい謎や意外性がありプロットも確りしていて、最もミステリらしい作品です。トリックはショボいですけどね。それ以外の二編は語る価値もない程度と考えて頂ければ、と思います。正直個人的にはやはりもっと骨のある作品が読みたかったですし、シリーズ全体のAmazonでの評価が高いだけに期待していたのですが、残念でした。

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