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ミステリの祭典

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妖琦庵夜話 人魚を喰らう者
妖琦庵夜話シリーズ

作家 榎田ユウリ
出版日2014年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/04/21 23:04登録)
都内某所にひっそりと佇む茶屋『妖〓(き)庵』。その主、洗足伊織は目を見張る美貌の持ち主だが、非常に偏屈な毒舌家でもある。『人間』と『妖人』を見分ける能力を持つ伊織のもとへ、正月早々、警視庁の新米刑事・脇坂がやってくる。『人魚』として妖人の登録をされている女性が、誘拐されたというのだ。人魚の肉は不老長寿の妙薬―?人魚を巡る過去と現在の事件が交錯するとき、あの男の影が…。人気作第3弾、文庫書き下ろし!
『BOOK』データベースより。

二つの事件が入り乱れて、更に独白なども挿入されており、かなり複雑になってしまっています。読み難いという訳ではありませんが、これまでのシリーズと比較すると若干纏まりに欠け、ストレートに話が伝わって来なかった印象を受けます。どこに主題を置いて読んで良いのか迷いました。それと、今回はマメの登場シーンが少なく残念な香りがします。

それでも終わってみれば納得の出来。誘拐事件の方は、まあ考えてみればそれしかないよなと思わされます。思えば解決までにこれでもかと伏線が張られていて、それに気づかなかった自分につくづく嫌気が差しました。溺死事件の方はありきたりな感じで、あまり感心しませんね。しかし、ラストで意外過ぎる事実が明らかになり、増々本シリーズに目が離せなくなりそうです。

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