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ミステリの祭典

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完璧な母親

作家 まさきとしか
出版日2013年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 HORNET
(2022/04/17 20:27登録)
 最愛の息子・波琉を事故で失った知可子は、息子を産み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹を「波琉子」と名付け、誕生日にはケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝うう。そんな知可子の狂気にやがて波琉子は、「お兄ちゃんもうれしいって言ってるよ」と答えるように。それを喜び、知可子は歪な“完璧な母親”を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が―。

 知加子の「毒親」ぶりが目を引く序盤だが、第二章から物語は違う展開を見せる。池でおぼれた波琉の生まれ変わりだという中年女性とその弟が出てくることで、異なる様相が見えてくる。意外な展開に最初はちょっとついていけないが、ラストで示される真相はなかなかのもの。
 そこそこ面白かった。

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