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ミステリの祭典

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いちばん悲しい

作家 まさきとしか
出版日2017年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2022/03/31 21:44登録)
 大雨の夜、刺殺された中年男・戸沼暁男。警察が、戸沼が所持していた携帯電話で頻繁に連絡がとられている女性に連絡したところ、「そんな名前の男は知らない」という。つきつめると、戸沼は偽名を騙って不倫をしていたのだった。しかし不倫相手の真由奈は知人間では有名な妄想女で、「自分といた彼こそ本当の彼」として譲らず、戸沼の残された妻・杏子と子供たちに怒りの矛先を向ける。女刑事・薫子は、そんな女たちの心の奥底にうずまく毒感情を次第に暴いていく―
 被害者戸沼の不倫相手・真由奈、妻の杏子、そしてその娘。それぞれの視点から、ある日突然事件に巻き込まれ心を乱していく様相が描かれていてなかなか楽しい。一方事件の真犯人はいっこうに見えてこず、そういう意味ではミステリとしてもしっかりなりたっている。
 「あの日、君は何をした」からちょっと興味がわいて作品に手を伸ばしているが、十分期待に応える出来栄えだと思う。

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