カメラマン ケイド |
---|
作家 | ハドリー・チェイス |
---|---|
出版日 | 不明 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | 斎藤警部 | |
(2022/03/30 15:46登録) 「ほんとか! ぼくは五七九号室だ」 「知ってるわ。今朝部屋をかえたから」 ラストシーン、安っぽいが印象に残る。ここで0.5点上げた。。。 まるでソ連のような、ロシアのような・・公民権運動で不穏なヴァイブ溢れる米国南部の街イーストンヴィル。灼熱の報道写真を撮れと派遣されたケイドは酒浸りのフォトグラファー。かつては花形だったケイドが艶美なメキシコ娘に引っ掛かり『如何に落ちぶれたか』を時を遡りヴィヴィッドに敷衍した後、イーストンヴィルの仕事で案の定大失態をやらかした彼がいよいよ『最後の賭け』となる激ヤバなギグに勤しむ姿まで(+α)が描かれる、書き飛ばし(?)冒険譚。 全篇通じての安っぽさは拭いようが無いし、時系列往き来の惑わしが妙に中途半端だったり、展開に意外性も薄く(最後のアレだけはちょっとアレで意外!)、主役に心酔出来る魅力など無く、スリルを殺ぐ要素には事欠かない有様だが、ところがどうして、面白く読めちまうのは間違いないってんだから変なもんだ。 締め(?)のドタバタアクションも、緩々ながら愉しかった。 読了後、白のタキシードにサッと着替えて葉巻を片手に人生を語りたくなるようなブツでは決してないが、こんな本に時間を預けるのも悪くないと思えれば、まだ人生に余裕がある証拠かも知れない。 ところで、古い創元推理文庫、登場人物一覧が明からさまなネタバレになってますが。。。。人数多いのがせめてもの目眩しか?? ともあれ最後の数名は読了前に見ないようにしといたほうがいいでしょう。(いや、むしろ最後から二番目、三番目の人物の異様な肩書を見ちゃったほうが、かえって興味が煽られて良い、かも・・??) ← これで充分ネタバレかな。 ’66の作やしな。 |