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ミステリの祭典

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虚構推理短編集 岩永琴子の純真
岩永琴子シリーズ

作家 城平京
出版日2021年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2022/03/30 04:10登録)
(ネタバレなし)
 シリーズ4冊目。
 雪女(同一キャラ)をメインゲストにした中編2本を最初と最後に配置し、間に3本の短編を挟んだ、一種のブックエンド的な構成の中短編集。
 
第一話「雪女のジレンマ」(中編)…殺人事件が起きてある青年に嫌疑がかかる。その青年のアリバイは恋人? の雪女が担保するのだが、人間社会では妖怪である雪女の実証ができないので、岩永さんが一肌脱ぐ話。フーダニットではないが、謎解きミステリとしては、妙にリアルな動機がちょっと面白い。

第二話「よく考えると怖くないでもない話」(短編)…岩永さんと九郎が関わるこの世界での日常の謎? みたいな一編。まあまあ。

第三話「死者の不確かな伝言」(短編)…探偵役は六花。ダイイングメッセージものだが、いかにも新本格っぽい逆説がちょっと面白い。

第四話「的を得ないで的を射よう」(短編)…妖怪たちの集会での岩永さんのとあるジャッジを語る話。ミステリというよりトンチ話風。

第五話「雪女を斬る」(中編)…第一話の後日譚。江戸時代の事件の謎を解く話。小粒な内容で出来は悪くないが、ミステリ成分の割に話が長すぎていささか、かったるかった。おひいさまのいつもの手際で決着。

 シリーズ(小説版)を読む順番が、事情で一冊あとさきになってしまったが、刊行された分はこれでまたコンプリート。
 シリーズ6冊目の今後の展開を楽しみにしよう。
 テレビアニメも、もう一回やってくれないかね。 

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