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ミステリの祭典

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虹色の陥穽

作家 大谷羊太郎
出版日1978年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2022/03/23 21:18登録)
西村京太郎より3日前、2月28日に亡くなった大谷羊太郎の、出版順で言えば『殺意の演奏』に次ぐ第2作のようです。少なくとも初期には不可能犯罪を扱ったものが多い作家ですが、本作は最後にいかにもなアイディアが出てくるものの、全体的には珍しくサスペンス調です。パターン的にはボアロー&ナルスジャックにも近いような、殺人事件に巻き込まれて恐喝を受け、という展開です。ただ、芸能界ならではの歌手とプロダクションの関係を利用したところは、この作者ならではです。
考えてみれば、その計画ならば、そもそもそんなことまでする必要があったのか疑問ですし、最後の自白ででも一石二鳥を狙ったのだったと説明をつけることは簡単だったと思えます。確実性という点でも問題はあります。
しかし、それまでも時たまその視点からの部分があった刑事の視点による、さりげない皮肉なラストシーンはかなり好きです。

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