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ミステリの祭典

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いま、殺りにゆきます

作家 平山夢明
出版日2006年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/03/04 22:52登録)
深夜の路上で凶徒に遭遇したカップルの恐怖を描く「峠で壊れて」。愛犬の足が何者かにより一本ずつ折られていく「だんだん少なくなっていく」。常軌を逸したイタズラ電話が母子を追いつめる「謎電」。電車内で理由もなく乗客を殴り続ける男、「おら男」。日本ホラー界の第一人者が、徹底した取材を元に日常に潜む恐怖を描いた36話を収録。狂気が支配する、逃げ場のない世界が展開する実話恐怖集。
『BOOK』データベースより。

タイトルからしていかにもヤバそうですねえ。長編かと思っていたらショートショート怪談集でした。現実の出来事かどうかは不透明ですが、本当だったらかなり嫌ですね。私に耐性があるせいか怖くはなかったです、只胸糞の悪い話ばかりで、人間の狂気が描かれています。淡々とした、中学生が書いたような文章で如何に故意だとしても、初めてこの作者の小説を読む人は、こんなのしか書けないのかと勘違いしそうです。念のため言っておきますが、勿論ちゃんとした文章も書ける人です。

好みというか面白かった(不謹慎か)のは『ヒール』『レンタル家族』『一生瓶』『だんだん少なくなっていく』『串打ち』『閉店パーティー』辺りかな。
多くの話が、彼又は彼女(酷い目に遭った人々)が引っ越すか、犯人はまだ捕まっていないという結末で終わっています。結局一番怖いのは生きている人間だという、まあありがちで都市伝説的な話が多かったように思います。

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