home

ミステリの祭典

login
狂乱家族日記 六さつめ
狂乱家族日記シリーズ

作家 日日日
出版日2006年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2022/02/03 22:42登録)
人類完全獣化現象から逃れて、雷蝶と共に鳥哭島に避難した凶華たち乱崎家一行は、連行したDr.ゲボックと共に中和剤の製造にとりかかった。一方、獣化現象で混沌とする帝都では、狂気にかられて人間を襲い始めた動物たちを抑えるため、マダラが褐色皇帝の血族の「力」を発動させる。「従え!俺が王だ!」マダラの悲痛な叫びが帝都に響きわたる―。「来るべき災厄」を目前に、馬鹿馬鹿しくも温かい愛と絆と狂乱の物語は佳境を迎えますますヒートアップ。
『BOOK』データベースより。

ちょっと間が空くとすぐ忘れるなあ、ダメですね。まあ本作、助走が長い分、その間に徐々に前作(前篇に当たる)を思い出せたので良しとしますか。ほぼ半分程が帝架とマダラの物語に重点を置き、それに乱崎一家の各キャラ達を絡めるという、本シリーズ全般に準ずる構成になっています。物語が動き出すのが鳴りを潜めていた凶華の一言。やはり個性豊かなキャラの中でも主役級の言動は一味違います、良い意味でどうかしています。

そこからは俄然面白くなり、漸く本領を発揮してきたなと思いました。その凶華のアイディアにより、物語がヒートアップするだけではなく、二頭のライオン帝架とマダラの間に新たな関係性が生まれ、本筋に変容が出てきます。そして本件が落着したかと思いきや、又しても次巻に繋がる不穏な前兆が・・・。
良くもまあ次から次へと色んな事件、変節が思い付くなと感心しますね。しかし、これくらい変化に富んだストーリーなくしては、このような長いシリーズを保たせるのは難しいかも知れませんね。

1レコード表示中です 書評