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ミステリの祭典

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背徳の詩集

作家 森村誠一
出版日1989年10月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2022/01/31 23:23登録)
(ネタバレなしです) 1989年発表の本書は長編本格ミステリーと紹介した文献もあったように記憶していたので読んだのですが、ハルキ文庫版の巻末解説で社会派ミステリーとして評価していた通りの作品だと思います。ガチの本格派を書く作家ではないことはこれまでの読書で経験していたので、社会派だったことに今さら驚きませんでしたが。似たようなタイトルで「殺人の詩集」(1993年)がありますが別作品です。本書の主人公は2人の女性を手玉にとって出世していく若者で(後には3人目の女性も登場)、全員独身なので不倫の関係ではないしマンション殺人の犯人でないことも明白に提示されていますが、女性にもてた経験のない私の反感を買うには十分なキャラクターで(笑)、警察がなかなか主人公を容疑者として絞り上げない展開に不満です(笑)。複数の事件が複雑に絡み合いますが、あまりにも好都合に見つかる証拠を大胆な推理で強引に結び付けての芋づる式解決も面白くありませんでした。山中でのあの証拠品発見もそうだし、同じタクシーの運転手が2つの事件の証人になるなんて途方もない偶然の発生確率はミクロレベルではないでしょうか。笹沢佐保のタクシードライバー夜明日出夫シリーズじゃあるまいし(爆)。

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