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ミステリの祭典

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騒がしい楽園

作家 中山七里
出版日2020年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 HORNET
(2022/01/23 22:19登録)
 幼稚園教諭の神尾舞子は、世田谷にある若葉幼稚園へ転任してきた。転任早々、園児の声に対する騒音苦情や待機児童問題など様々な問題に直面することとなったが、そんな中、幼稚園で飼っている動物たちが次々に殺されるという不穏な事件が起こる。大事になることを心配していたその矢先、舞子が担任していた女児が殺害される事件が起きた―

 保育に関わる昨今の世相を映し出しながら、今の幼稚園教諭を取り巻く厳しい環境を描き出す。保護者やマスコミの愚かさをズームアップした描きかたは読んでいてかなりストレスがたまる。ただ、この事件に関しては実際に起こっても、「園」の責任はこんなふうに糾弾されるだろうか…?とも思った。(夜中に園児が殺された事件なので)
 わりと上に書いたような社会様相を描くことがメインになっている印象で、ミステリとしては、手がかりをもとに推理を組み立てていく線は薄い。いちおう真犯人が最後に明かされるフーダニットではあるが。

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