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ミステリの祭典

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消えたサンフランシスコ

作家 ブライアン・ハーバート
出版日1989年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 糸色女少
(2022/01/22 23:19登録)
宇宙人に街ごと誘拐されてしまう話で、導入こそ小松左京の「首都消失」を内側から書いたようなムードだけど、実は崩壊寸前の一家の日常ドラマを入念に描く破天荒な家族小説なのである。
母親は重度の精神疾患を患い、家の中は散らかり放題。父親は三つの仕事を掛け持ちして疲労困憊。長男は仕事にも就かず学校にも行かず遊び呆け、次男は父親から自分の子供ではないと疑われている。この悲惨な家庭で健気に生きる十一歳の少女ミシェルが主人公。辛気臭い話だと思うかもしれないが、深刻な問題の合間にスラップスティックなギャグが散りばめられ、爆笑を誘う。レイドローの「パパの原発」をもう少しダークにした感じ。

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