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ミステリの祭典

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怪物はささやく

作家 パトリック・ネス
出版日2011年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 まだ中学生(仮)
(2022/01/17 23:11登録)
難病の母親と二人暮らしの13歳の少年コナーの前にある日突然、怪物が現れる。それは家の窓から見えるイチイの木の姿をしていた。怪物はコナーにこう言う。わたしはおまえに三つの物語を語る。だが四つ目の最後の物語は、お前自身が語るのだ。お前は必ず語るだろう。なぜなら、お前はそのためにわしを呼んだのだから。こうして怪物は寓話めいた物語を始める。
一見するとホラーとミステリの融合のような物語である。だが、この作品の核心は、そのようなジャンル性にはない。怪物が語るのは、いずれも妙に後味の悪い、モヤモヤさせられる物語である。
絶妙なストーリーテリングと端正な訳文、そして素晴らしいイラストレーションに夢中になって読み進んでいくと、思いがけないラストが待っている。そして作者が何を伝えたかったのかを、自分なりに問いはじめることになる。

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